地獄の獣よ狂気の無垢を

タイトルは仰々しいけど、何となしに日々の雑感をダダ漏れ中です。

吹きすさぶ深夜のオオカミ

今夜は風が強い夜です。
外では強風が木々を揺らつかせる音、近隣のマンションの風を切る音などが聞こえます。
気のせいか僕が住んでいるマンションの建物自体、若干、風で揺れているような。

こんな風が吹く度、マンション風で飛んだりしないのかなと思うけど、風で家飛んだなんて聞いたことないよな、三匹の子ぶたじゃあるまいし。

昔住んでいた下高井戸の木造アパート、だいたい築40年くらいだったと思うけど、あそこは自然災害があるたび、ヤバイ潰れる!と不安に襲われていました。特にあのアパート、地震に対しては過敏に揺れていたっけ。

ある夜地震で部屋がグラグラと大きく揺れ、ターンテーブルとミキサーが落ちそうになるのを慌てて押さえ「これは震度5強クラスだ!」と焦りながら急いでテレビをつけて震度を確認したら、震度3だったり。

そういえば自然災害以外にもあのアパート、揺れてたっけ。
2階建てのアパートだったんだけど、僕は1階に住んでいて僕の部屋の真上には若い男が住んでいたんです。その男、深夜になるといつも大きめの音でハウスをよく流していたんですが、必ず踊るんですよね。いや実際見たことはないけど、たぶん踊ってるんです。ステップとか踏んでるし、部屋で。縦横無尽に移動しながら踊ってるのが下の俺にもわかるくらい。
そうすると古いアパートだから、建物自体がかなり揺れるんです。ドリフの長屋のコントみたいですが。
そんなことしてたら他の部屋から苦情とか出そうなもんだけど、僕があのアパート出るまで上の部屋のダンスは続いていたから、誰も注意しなかったんだろうなあ。でも僕も苦情を言ったことはないです。
というのも、僕だって夜中にまあまあな音でターンテーブルまわしていたし、隣の部屋の人も昼夜問わず大声を出していたし、まあ各々迷惑なことを好きにやっていたので、人のこと言えない立場だったのです。

ハウスで踊ってる上の男に対しても、全然嫌な感情を持ったことはないし迷惑だなと思ったこともないし。むしろライブ感があって楽しかったくらい。

踊る時間帯もだいたい決まってて、たいてい深夜2時くらいだったんだけど、ある日の深夜も同じくまた揺れだしたので「始まったか」と気にも留めていなかったんですが、その日はどうもリズムが違うのでした。
「…あれ、今日は単調なステップなんじゃない?」
ドン ドン ドン。
「…」
ドン ドン ドン ドンドンドン。
「ピッチが早くなったな」
ンドドドドドドドドドドドドド!
「…!? こ、これは…。これはダンスじゃねえ!セックスだ!! 今日はセックスしてる!!」
シーン。
「あ、イッたんだ」

まあいい思い出です。