地獄の獣よ狂気の無垢を

タイトルは仰々しいけど、何となしに日々の雑感をダダ漏れ中です。

目を覚ませば旅がはじまる

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たまに町全体がナポリタン臭い町がある。
ずいぶん昔、青森のどこかの駅に降り立った時には干物の臭いが充満していた。それはわかるというか、ある意味納得できるんだけどナポリタンってなんなんだ。

僕は昔から夜眠らない子供だったので、電車でまったく知らない土地まで寝過ごしてしまった経験がたくさんある。
たくさんありすぎてそれはもう自分の中では「寝過ごしてしまった」という気分にならない。
電車の中で起きて車窓に未知の風景が映っていたら「今日はどんなところに来たのかな」と思うようにしていた。
いちいち落胆していたら気が滅入るので楽観的に「ほぉ、段々畑じゃないですか」とか「蔵王の山々がキレイだなあ」(蔵王だと思っていたら実は安達太良山とか磐梯山だった、という時も)と呑気に車窓を眺め、気に入った風景だったらそのままどこまでも電車に乗っていたりした。
まさに、ぶらり途中下車の旅

そして飽きたら降りる。
正確に言うとホームから見る風景がよければ、もしくはホームに時間を潰せるアイテム(自販、ベンチ、トイレ)があれば降ります。
散歩するにはいい町だ、と思っても自分の立場としてはあくまで寝て乗り過ごした身。
改札を出て「ちょっとその辺を」と言うわけにはいかない。
ずっとホームで帰りの電車を待っていなければならない。
でも田舎の駅によっては「次の電車までまだずいぶん時間があるから、その辺ブラブラしてきたらどう?なにもないけど」みたいなことを言われることもある。
そんなときはお言葉に甘えて町に繰り出す。

商店街さえない町もある。県境あたりの駅ならそれがデフォルト。それが県境クオリティ。

よくわからない駅前開発をしている町もある。
駅前に2階建てのスーパー、その真向かいには半円型の体育館みたいな本屋。さっぱりクルマの往来がない駅前ロータリー。無駄に広いロータリーなので、地元のヤンキーのクルマが意味なくグルグルとロータリーをまわってる。たまにドリフトっぽいこともしながら。それ以外はあたり一面田んぼ。
殺伐としながらも、開発したばっかりなので道の舗装などは新しい。
(このニュアンスをどう伝えればいいか。言葉で説明すると東京の郊外とほぼニュアンスが同じだが、絶対にサバービアなんて言えないような、決定的にシリアスさに欠ける風景)

閑話休題
こうして帰りの電車の時間が来て、いそいそと乗り込むわけですが、帰りは帰りで楽しみがある。
それは乗ってくる人たちの観察。
敢えて大袈裟に言うと、違う土地の人は違う文化圏の人たち。
ボックス席に陣取った四人組のホッペの赤い女子高生たちが、まわりを気にせず大声で猥談に興じて高笑いしている姿などは、見ていて面白い。

そんな偶然という名の居眠りから始まる、ぶらり途中下車の旅
気の長い人以外、おすすめなんて一切しません。