地獄の獣よ狂気の無垢を

タイトルは仰々しいけど、何となしに日々の雑感をダダ漏れ中です。

毒を飲めるか

夜にテレビつけたらさ、久々にナウシカやってたよ。

「あ、やってたの?」

ナウシカ、巨乳だなーなんて思いながら見てた。
そういや、見てて思ったんだけどあの世界に『腐海』ってあるでしょ。
あれってあれなんだよね、人類が起こした大戦争で地球が深刻な大気汚染になっちゃって、人間がまともに住めない環境になった。大気が元通りになって人が住めるようになるまで、腐海の森が汚染された自然を浄化させてるんだ。ただ人に害を及ぼす危険な有毒地帯ってわけじゃないんだよね。
ただ浄化が終わるまで数千年もかかるみたいだけど。

「その設定ってさ、ほぼまんま今に当てはまるよな。放射能ってワードに関連付ければさ」

うん、そうそう。

原発事故で福島周辺は、まさしく有害な汚染区域と指定されたわけだけど、こっちだって汚染除去もそうだし、完全に分解されるまで途方もない時間が必要じゃん」

まあ、安全に動いてる原発だって核廃棄物の処理、大丈夫なの?って話だもん。プールの中に入れておいて、あとは地中に埋めるっていうけど、完全に分解されるまで数万年から数十万年かかるんだし。

「今更だけど、よくこんな話が世界でまかり通っているものだな、と思うよ。数十万年、何も起きませんよ、ってことを誰が保証できるんだよ。仮りに保証できたとして、ダメだった時は誰がどう責任をとるのか、安全な処理の方法はあんのか?」

ないんじゃない?ってかそこまで考えたくないでしょ。面倒な話だし。

「電気は必要な物でなくなったら困るんだけど、一番最初に原発始めた人ってさ、ためらいとかなかったのかな」

なんで?

「この先、何世紀にもわたって抱えていかなければならない重石となるもんを、背負わなければならない、っていう決断、よくできたもんだと思う。すっごい感心しちゃう」

壮大な先送りだものね。

「でもさ、原発を肯定できる人って世間的には仕事できる人だと思う」

そうなの?

「だって躊躇してたら前に進まないじゃん。俺みたいに《無限のエネルギーが得られるけど、核のゴミどうすんだよ…》って悩んでたらお金稼げないもん」

うーん。

「それと同時に、そういう奴らは何のためらいもなく女の子の口説けるような奴なんだよ」

え?

「女の子が嫌がっても、いいじゃんいいじゃん!だいじょうぶだいじょうぶ!OKOK!で強引に押し切ってしまえるような、体育会系のノリというかリア充の連中なんだよな」

ふうむ。

「核廃棄物?いいじゃんいいじゃん!OKOK!問題ない先送りで!って基本的に言えちゃうんだよ。立ち止まって考える、熟考する、思いとどまる、ってことをしない連中が」

そういえばソクラテスはそういう連中、女にモテてイケてるような奴らに向かって、至極まっとうなツッコミを入れまくってたら、キモがられて死刑になったんだっけ…。

「世界中で、原発ヤバイからウチではやりませんって国より、ウチにも原発欲しいな、って思ってる国多いはず」

つまりはこの世界、今も昔も多くのロクでもない連中によって動かされている、ってわけだね。

「そりゃまあ…生きづらいはずだよね」